債務整理するなら押さえておくべき!過払い金発生の仕組みと背景

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債務整理するなら押さえておくべき!過払い金発生の仕組みと背景

改めて過払い金の仕組みをおさらいしよう

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債務整理を検討して、実際にインターネット上で調べてみると弁護士事務所や司法書士事務所のホームページがずらりと表示されますがそれらのホームページを一つ一つ見て回ると必ず目にする単語があります。それは過払い金という単語です。

「過払い金により自己破産をすることなく、滞納していた借金がゼロになった!」「債務整理と同時に過払い金請求を行って、借金の大幅減額に成功した!」このような成功事例を大々的に法律相談所が宣伝に利用するほどでさながら打ち出の小槌のように、急にお金が湧いて出るという印象を与えます。

弁護士や司法書士の広告でも「過払い金の請求や相談は○○法律事務所まで」「過払い金請求だけでもやってみませんか?お問い合わせ、相談は××司法書士まで」と、債務整理や事件事故ではなく、過払い金請求を前面に押し出した広告も存在するほどで事実、過払い金請求は、従来の債務整理の形を大きく変えて今では借金返済の中でも、数ある選択肢の一つとなっています。

ただし過払い金は借金を払い続けていれば、必ずしも発生する訳ではありません。どういった仕組みで過払い金が発生するのか?その仕組みを詳しく知り何故過払い金で借金返済となるのか?を解説していきます。

過払い金請求の仕組みは二つの法と金利がカギ

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借金をする際に必ず出てくる物が金利です。この金利こそが貸金業者の利益であり、そして生命線と言えます。しかしあまりに高い金利を無制限に設定できるようにしてしまうと債務者はすぐに返済不能に陥ってしまいますし滞納した際の事を恐れて、誰もお金を借りなくなってしまいます。

結果として貸金事業が継続不可能となり、また経済の信用収縮にもつながっていきます。その為、国は法律で金利の上限を設定したのですが、この時二つの法で設定したのが後々の過払い金の発生の原因となったのでした。その二つの法の名称は『出資法』『利息制限法』です。では次に二つの法律の特徴などを見てみましょう。

年29.2%を金利の上限とした出資法

出資法とは俗に言われている略称で、正式名称は『出資の受入れ、預り金および金利等の取り締まりに関する法律』です。出資金の受入れ方法なども規定していますが、借金に特に関する事は高金利での契約等を原則として禁止しており、違反者に対して罰則を規定しているのが特徴です。

年20%を金利の上限とした利息制限法

そしてもう一つ、利息に対して法律が設定されているのが利息制限法です。こちらは10万円未満の借金には最大年20%を金利の上限として規定していました。しかしこちらには20%を越えたからといって、特に罰則する規定は設けていなかいのが特徴です。

  • 民事上では20%を越えた金利は無効となるが刑罰が無い事。
  • 賃金業法の厳格な要件を満たした場合のみ、利息制限法以上の金利の返済を有効とみなす

みなし弁済規定が設けられていた事。この二点を根拠として、利息制限法以上の金利を取る事は有効であると貸金業者は主張していました。

二つの法によってグレーゾーン金利が生まれた

出資法、利息制限法それぞれが金利の上限を定めた結果どのような事態になったか?「罰則のない利息制限法には違反している(ブラック)のに対して罰則のある出資法の範囲内の金利に設定する(ホワイト)」そのようなグレーな業者が多数存在していました。

具体的に言うと20%から29.2%以内の金利に設定した金融業者が、大手を振って営業していたのです。大手消費者金融のテレビコマーシャルでは、借金の金利28%と堂々と表記していた事もあります。この利息制限法に違反しているのに、出資法では違反していない金利の状態をグレーゾーン金利と呼ばれるようになり、長らく白黒つけるべきであるという声が上がっていました。

ターニングポイントは2010年6月18日

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このような状況に遂に白黒つける日が来たのが2010年の6月18日。遂に法改正が行われて、特に以下二点が特に大きな変更点となりました。

  • 出資法の上限金利が29.2%から20%へと引き下げられた。
  • 利息制限法の上限金利を越えた金利が、賃金業法により行政処分の対象となった。

これにより、借金の金利が利息制限法で定めていた最大20%となったことによりグレーゾーン金利は撤廃。そして無効な利息を有効とするみなし弁済も、貸金業法の改正により廃止となりました。

その流れで生まれた過払い金

さて、借金に対する金利が引き下げられたこと2010年6月18日。その時、一つの疑問が債務者や債権者達の間で広がることになります。「これからの借金の金利は最大20%となる。ではそれ以前に支払っていた20%を超えていたグレーゾーン金利のお金はどうなるのか?」

これに対して裁判所はグレーゾーン金利に支払っていた金利のお金も払い過ぎと判断。貸金業者に払い過ぎていた分のお金は元金に充当、充当のみならず余剰になった場合は返金するようになりました。これがいわゆる過払い金です。

以降は判例に準じて、日本全国で過払い金請求を求める声が上がるようになりましたが、それ以外にも

  • 弁護士や司法書士が債務整理の際に、過払い金請求を出来る事
  • 当初は指定信用情報機関に過払い金請求を行った事を記す情報が後に掲載されなくなった事

などといった事情も一連の流れを後押し。

弁護士や司法書士にとっては、過払い金の一部を報酬に出来ればグレーゾーン金利の借金のある債務整理は、非常に美味しい案件となるため一種の過払い金バブルと呼べるような状況になりました。この日を境に多くの弁護士や司法書士が、様々な広告媒体に広告を打つようになり過払い金請求の相談や依頼を促すようになった事は、記憶に新しい方もおられるでしょう。

困ったのは貸金業者側

債務者や弁護士など代理人が大いに過払い金で潤う中、大きな壁に当たる事になったのが貸金業者側です。これまでは上げられていた利益が、過払い金請求に持っていかれる事は非常に厳しく多くの金融業者が経営を断念せざるをえない状況となりました。この金融業者の破産の流れは2016年現在も続いています。

過酷な過払い金請求に対しては、業者一同で増大する過払い金請求に懸念する共同声明を発したり過払い金請求を行わない事を条件とした和解書の提出を促すなどなんとしてもこれ以上の過払い金の負担を避けたいという苦しい思いが見て取れます。

しかし一度広まった過払い金請求の流れを食い止める事は難しく過払い金の請求に関しての和解書は違法ではないかという見解もあることからいまだ貸金業者側としての立場は大きな逆風にさらされています。

現在の過払い金状況において

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現在の借金において、過払い金が発生するほどの金利が設定される事はヤミ金などの違法業者を除けば、まずありえないと言い切っても過言ではありません。それは前述のグレーゾーン金利が違法であると確実に明記されてしまった為に、従来の金利で設定が出来なくなった為です。

その為、今後過払い金請求の件数は減少していくであろうと思われます。逆に言えば、2010年6月18日以前の借金を過去に支払っていた事がある。もしくは現在も支払っている場合は、過払い金が発生している可能性もあります。

今後過払い金請求を行うのであれば、早期に取り組む事をオススメします。2000年代後半以降は貸金業者の経営を過払い金請求が大幅に圧迫した結果中小どころか大手消費者金融が倒産してしまうほどの状況が理由です。もしも貸金業者が破産してしまえば、破産者の財産を債権者が公平に分担するという破産の仕様上本来受け取れるはずだった過払い金が、大幅減額となる可能性は極めて大きいと言えます。

債務整理をするかしないかは別として、過払い金請求をする事を検討しているのであればなるべく早い内にしておいた方が良いでしょう。

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